テレビや動画などで活躍されています、ナレーターさん。
そのナレーターという職業の中で、障害を持つ方に向けてバリアフリーナレーターとして活動をなされています「持丸あい」さん。
今回は持丸さんにお話を聞かせていただき、障害者に向けたナレーション。音声ガイドとは、どういうものなのか?
その仕事の魅力と音声ガイドの世界について迫ってみました。
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持丸あいさんプロフィール
主な仕事として、2021年は新国立劇場の演劇『イロアセル』や、東京芸術祭のダンス公演Baobab『ジャングル・コンクリート・ジャングル』、コンサート『ミュージック・イン・ザ・ダーク ~闇に響く音~』でなどで音声ガイドを担当。『しまじろうコンサート』のCMナレーションや、ブラインドサッカーの実況なども行いました。
音声ガイドのナレーターとは?
台詞と台詞の合間や、周りの音の小さいときに、状況を説明します。 例えば、作業をしながらなど画面を見ないでドラマを観る時、会話のないシーンでは誰が何をしているかわからなくなったりしますよね。 そんな時にも便利です。 最近では、音楽祭にも音声ガイドをつけることが増えてきました。
音声ガイドなし
音声ガイド付
ナレーションと音声ガイドが一体になった動画
バリアフリーナレーターとは?
一般的なナレーターは台本を語り伝えることが仕事ですが、私は障害の知識を活かした実況や台本制作もできます。 障害によって作品が楽しめない、なんてことがないよう、声でサポートする仕事です。
バリアフリーナレーターとして活動しようと思ったきっかけ
当時は映画に音声ガイドがなく、ボランティアが音声ガイドをつけていました。鑑賞後、視覚障害のメンバーがとても楽しそうだった! あの風景は何だったのかしら、あの音はなぜ歪んでいたのかしら、監督はどうしてこうしたのかしら、と2時間以上盛り上がりました。音声ガイドがつくことでこんなに喜ぶ人がいるなら、私もつけてみようと思い始めました。
だからこそそういう音声ガイドがあって、映像の世界を楽しめる。特に嬉しい事だろうなという感じますね。
ナレーションで特に意識している事
説明する事なのか、盛り上げる事なのか、寄り添う事なのか、などです。
その辺りの塩梅は難しそうですね。ただ伝えるだけではなく、しっかりと映像の世界の楽しみを伝えるからこそですね。
ナレーションをしていてよかった面
また、クライアントにとっても無理のない提案を心がけているので「他の作品でも音声ガイドをつけよう、障害のある方への配慮を続けよう」と思っていただけた時、よかったと感じます。
そういう需要がある、そういう世界があるということが多く知られるからこそ、周りへの理解が深まりますね。
バリアフリーナレーションで難しいと思う面
どれもこれも素晴らしいけれど、すべてを伝えると情報が多すぎて、分かりにくくなってしまいます。調整が必要です。 また、媒体や会場によって音の聞こえ方が変わるため、伝わりやすい言葉数も変わってきます。一度作った台本が、毎回ベストとは限らないところも難しいです。
伝えるのは作品の世界観。楽しんでもらえる工夫と理解してもらう工夫。そのバランスは難しいですね。
今後やりたい活動
今どんな衣装か、どんな舞台装置か、みんなが何に盛り上がっているのか、グッズはどこで何を売っているのかなどを声で伝えたら、もっと楽しめるお客様がいるはず!
そしてグッズなどの案内なども楽しむという事では外せない要素ですね。障害を持つ方へ『楽しい』を伝える気持ちが凄く伝わります。
福祉に対する思い
障害のある人とない人が混じり合う場所に劇場やイベント会場も含まれるようになれば、もっと自然にお互いを理解でき、みんなが不自由なく生きることにつながると信じています。 私はそんな仕組みを支えていきたいです。
楽しんでいけないわけがないのに、健常者の方に迷惑がかかるからという声も聴きます。誰でも楽しんでいい。エンターテイメントを通じて、理解が深まればそれはとても素敵な世界だと思います。
読者にメッセージ
どうぞ応援してください。
音声ガイドが当たり前の社会に
音声ガイドを手掛けるバリアフリーナレーターの持丸さんにお話を伺いました。
視覚障害に限らず、なかなか障害があると色々な場に参加する事に対して気おくれしてしまうという思いが何かしらあるなと思います。
でも、持丸さんのバリアフリーナレーションのように、障害があってもそれをサポートする体制があれば、健常者の方と同じように楽しめる。そしてその楽しみを通じて障害に理解のある社会が作れる。
そのような世界が来ると思います。
持丸さんの活動を応援させていただきます。
また映画のバリアフリー版を制作しているPalabra株式会社(パラブラ)さんのインタビューも併せて参考にしていただければ幸いです。
あなたは「バリアフリー映画」をご存知ですか? この言葉を聞いて真っ先に思いついたのは、階段のない車いすが通れる映画館だったりしませんか? 私も最初は、それが思いつきました。 でも、バリアフリー映画ってそうじゃないんです。 目の見えない方 見えにくい方 耳の聞こえない方 聞こえにくい方 など、多くの方が楽しめる映画のことなんです。 字幕がついていたり、音声ガイドがついていたりするのは当たり前! でもその前に絶対に必要なあることも含まれるんですよ。今回はそんな映画の... バリアフリー映画を当たり前のものに|パラブラ代表の山上庄子さんインタビュー - WelSearch ウェルサーチ|福祉の専門家や当事者たちが発信する福祉情報サイト |
バリアフリーナレーター持丸あいさん
TWITTER:https://twitter.com/mochimaruai
HP:https://www.mochimaruai.com/
久田 淳吾
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