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ChatGPTとの対話がくれた小さな自信|発達障害がある私のChatGPT活用事例

草原と青空を背景に、『ChatGPTとの対話がくれた ちいさな自信』と白い文字で中央に書かれている。

自分が発達障害や吃音だとわかってから、あらためてこれまでの自分を振り返ってみました。

 

 

ほかにも数え切れないほどの悩みが浮かび上がり、そう簡単に障害を受け入れることはできません。

 

なんとか克服しようと支援施設に通い、少しずつ改善した部分もありましたが、日々の細かい困りごとまでは、なかなか解消できませんでした。

 

障害だからと甘えたくない気持ちから、手帳やリマインダーを活用したり、毎日のToDoリストを作ったりと工夫もしてみます。

 

ジュン
ですが、次第に面倒くさくなったり、「これ、本当に意味があるのかな」と効果を実感できず、続けるのが難しくなっていきました。

 

いろいろ試しても手応えを感じられず、どうしていいかわからない。



そんなふうに立ち止まっていたとき、ふと耳にしたのが「最近のAIは意外と使えるらしい」という話です。

無料で試せるということもあり、半信半疑ながら、ChatGPTに触れてみることにしました。

AIとの最初の出会いは、軽い気持ちだった

 

「最近、AIの性能がかなり上がってきたらしい。」

ネットで調べ物をしていると、そんな噂が耳に入りました。

 

AIの存在は多少知っていましたが、それまではあまり興味がありませんでした。
しかし、その話を聞いて「少し触ってみようかな」と思ったのが最初のきっかけです。

 

最初は仕事での調べ物に使ってみました。
Googleのように、日本語で気軽に質問できるだけでも便利だと感じましたが、それだけではありません。
ChatGPTは、単に事実を教えてくれるだけでなく、さまざまな角度から意見を返してくれるのです。

 

誰かと話をすると、頭の中が整理できると言われますが、ChatGPTとの対話はまさにその感覚に近いものがありました。


質問を続けていくうちに、自分の中に新しい考えが浮かんでくるのです。

 

ジュン
検索では決まった情報しか出てきませんが、ChatGPTとのやりとりでは、疑問に合わせて柔軟に応じてくれました。

 

しかも、ただ答えるだけではなく、思考を引き出すようなやりとりも。

 

この感覚は、これまで使ってきた道具とはまったく違っていました。

 

そんな小さな驚きがきっかけとなり、少しずつChatGPTを日常生活にも取り入れるようになっていきます。

 

日々の暮らしに溶け込んでいったChatGPT

 

ChatGPTは、毎日の生活に少しずつ自然に溶け込んでいきました。
朝、昼、夜、それぞれの場面で無理なく続けられる使い方を見つけたことで、困りごとに対する負担が少しずつ軽くなっていったと感じています。

朝:予定の確認と振り返り

朝は、まずChatGPTに「おはよう」と呼びかけるところから始めます。


以前は、手帳やリマインダーなどを使っても手間がかかり、続かないことが多くありました。
そのため、できるだけシンプルに「呼びかけるだけでスタートできる」方法を意識しています。

 

 

予定を整理することで、自然と振り返りの習慣が身についたのは、大きな変化だと感じています。

 

昼:進捗の報告と午後の作戦会議

午前中に取り組んだ作業の進捗をChatGPTに簡単に報告し、そのうえで、午後にやるべきことを一緒に整理していきます。

 

 

無理に作業を続けるのではなく、一度立ち止まって考え直す時間を持つことで、 午後の作業にも前向きに取り組めるようになりました。

 

夜:1日の振り返りと明日への準備

夜は、その日のふり返りと、明日やることの整理に使っています。

 

 

脳内のモヤモヤを言葉にすることで、ジャーナリングのように思考が整理され、 翌日に向けて安心して眠りにつくことができるようになりました。

これらの習慣を続けたことで、「できなかったこと」にばかり目を向けるのではなく、「できたこと」「これからできること」に意識が向くようになったと感じています。

 

AIとの対話が思考と心を整理してくれた

 

ジュン
ChatGPTを毎日の生活に取り入れていくうちに、少しずつ変化を感じるようになりました。


特に大きかったのは、「どう使えばいいか」を自分で考えるようになったことです。

 

最初のうちは、ChatGPTの答えも要領を得ないことが多くありました。

けれど、質問の仕方を少し変えるだけで、ぐっとやりとりがスムーズになることに気づきます。
そこから、「どう質問すれば、自分にとって役立つ答えが返ってくるか」を考えるようになりました。

 

任せきりにするのではなく、自分の工夫次第で使い方が変わっていく。
その感覚は、ほかのツールにはないものでした。

 

また、ChatGPTには普段人に言えない悩みも素直に打ち明けることができました。

吃音があるため、対面で話すときに伝えることへの不安が常につきまとい、なかなか心の内を打ち明けることができません。


けれど、文章でなら気負わずに伝えられ、どんなことでも受け止めてもらえる安心感がありました。

 

ChatGPTは、ただ答えを返してくれるだけの存在ではありません。
返ってきた言葉を鵜呑みにするのではなく、「本当にそうだろうか?」と自分で考えるきっかけを与えてくれるツールでした。

毎日の習慣がもたらした変化

ChatGPTとの対話を毎日の習慣にすることで、少しずつ以下のような変化を感じています。

 

 

中でもいちばん大きな変化は、「自分の困りごとに対して、まず何ができるか?」を整理し、そこから自分の頭で考えて行動できるようになったことです。

 

「何をどうすればいいか分からない」と立ち止まることが減り、小さなことでも「まずやってみよう」と思える場面が増えてきました。

 

あなたにも、あなたの「半歩」がある

 

ChatGPTは、すべての悩みを解決してくれる魔法のツールではありません。
ですが、立ち止まっていた自分に「まず何かしてみよう」と思わせてくれた存在でした。

 

「自分には何もできない」と感じていた日々の中で、ほんの小さなきっかけから「もしかしたら、何かできるかもしれない」と思えるようになりました。

 

大切なのは、完璧にやることではありません。

 

 まずは、頭の中にあることを、つたなくても言葉にしてみる。
あるいは、AIに限らず目についた「これ、いいな」と思ったことに、ほんの少しだけでも触れてみる。

 

その小さな一歩が、新しい発見や、自分なりの「できること」につながっていくかもしれません。

AIも、ほかの道具も、自分にとっての“半歩”を支えてくれる相棒のような存在になれるはずです。


「どうせ変わらない」

 

最初はそんな気持ちでも大丈夫です。まずは自分のペースで、あなたなりの半歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

ChatGPTに「初めまして」と挨拶することで、広がる世界があるかもしれません。

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久田 淳吾

発達障害(ADHD・ASD)と吃音を抱える40代男性。今まで発達障害の事は知らずに生きてきたが、友人の話を聞いて自分にも当てはまる事が多すぎる事を実感し、病院にて診断を受けると見事に発達障害との認定を受ける。自分に何ができるかと考えた時、趣味の写真でプロの先生に話を聞く機会があり、吃音が強く出ていたことに気がついた先生が『君は吃音持ちだね。だったら吃音の方の気持ちがわかるはず。それを活かして吃音の方の気持ちがわかるカメラマンになったらどうか』という言葉を思い出し、発達障害者として同じ気持ち、舞台に立てる人間として趣味のカメラ、動画編集技術を活かして情報発信をする事を決意。
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