Neccoカフェは、日本初といわれる発達カフェ。発達障害のある人たちが主体となって、東京の西早稲田で2011年にオープンしました。発達障害にまつわる書籍が充実しているブックカフェであり、発達障害への理解を楽しく深められるようなイベントスペースでもあります。何より当事者がくつろげる居場所です。
※Neccoカフェは、長年の活動が評価され、2026年7月に公益財団法人 社会貢献支援財団から「第65回 社会貢献者表彰」を受賞されました。
今回は、Neccoカフェの店主である金子磨矢子さんと、スタッフのまきさんに、お話をお伺いしました。お二人にはADHD(注意欠如・多動症)があります。
聞き手は、ASD(自閉スペクトラム症)当事者・まほと、グレーゾーン当事者・たま。二人ともNeccoカフェに通っているお客さまでもあります。
四人はもともと知り合いということもあり、和やかに話が弾みました。
インタビューの内容を全3回に分けてお届けします。
第2回の今回は、Neccoカフェを続けるなかで感じたことや、今後やりたいことについて、語っていただきました。
金子さんと何とお誕生日が一緒のまきさんにも、いろいろお話いただいています。
左:Neccoカフェ店主・金子さん 右:スタッフ・まきさん
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お誕生日が一緒なんて運命!…スタッフについて
お店を開いて、結構いろんなことがあったと思うんですね。
大変なこととか、うれしいこととか、特に印象残ってることはありますか?
日々新しいことやってるからね……
まきさんは、ここのスタッフやって3年?
2023年からだから、4年目。
もう来た翌日からスタッフになってくれたんですよ。
すごい!翌日からスタッフですか!
なんとお誕生日が一緒だったのです。もう運命に他ならないじゃないですか!
血液型もいっしょで、住まいが近くで、時間もあるなんて!
元スタッフと友達の3人くらいで、まきさんの家に行ったんですよね。
私がなかなか家を片付けられないから、みんなで片付けようって流れになったんです。
友達がまきさんをNeccoカフェに連れてきてくれて、ここでみんなで落ち合って、まきさんの部屋に行こうって話になったのでした。
そうだよね……まきさんはあの頃は何もしていなかったけれど、今はすごいんですよ。障害者雇用ですが、都立病院に勤務しています。
面接で言わなくてもいいことまで言ってしまうんです。
周りからは止められているんですけど、言わないと企業の人は本当のことを知らないままじゃないですか。
だから連続して何回も落ちていました。
言わなくていいこと言っちゃうんですよね。もう嘘つけない。当事者は嘘つけない人が多いですね。
それで、まきさんは当時は何もしてなかったから、「ここのスタッフになったら?」って言ったら、「いいよ」って言ってくれて、翌日から来てくれるようになったんです。
いろんな人と会って、私も社会復帰の場になりましたね。
年齢もさまざまで、60代の方とかもいますけど、若い人にすごい触発されました。
うん。まきさんとここがなかったら、出会ってもないわけで。ありがたいですよね。
Neccoカフェのスタッフは、全員がボランティアで成り立っているんです。
できる人が、できることをやり合っています。
まきさんも、今は仕事帰りや休みの日に来てくれてます。
喜んでもらえるのはうれしいけど、一番幸せをいただいているのは…
では、お店やってて、どの辺が特に大変だなって思いましたか?
毎日いろいろ大変かとは思いますが……
うん、大変なこともあるけど、うれしいことの方が多いですよね。
やっぱり圧倒的に。
うれしいことって、例えばどんな?
本当にいい出会いですよ。やっぱりね。素晴らしい人たちがいっぱい。年齢関係なくね。若いけれど尊敬できる人がいっぱいいますよ。素敵なもの持ってる人とかね。
定型と非定型と分ける必要はないと思うんだけど、私は。人間は全員が発達障害だと思っているから。
誰しも偏りはありますよね。偏りっていうか、でこぼこ。
うん、だって、その方が楽しいし素敵ですよね。なんか面白い。
2010年からここを借りて、なんだかんだ15年。
継続できるのがすごいなって思うんですけど、そのモチベーションって、やっぱり出会いにあるんですか?
そうですね。喜んでもらえるのはうれしいし、だけど、一番幸せをいただいてるのは私だと思いますけどね。
特にどの辺で幸せをもらってるなって思います?
いや、向こうはどう思ってるかわかんなくても、私は皆さんをお友達と思っています。
そういう縁って、お金では買えないじゃないですか。
笑顔で語る、Neccoカフェ店主の金子さん。
今後やりたいことは?…引越しと後継者問題について
私も客として、ちょこちょこお邪魔してて、やっぱこの店がなくなっちゃうとすごく困るし、いつまでもあり続けてほしいと思っています。
なんか今後こういうことをやってみたいとか、そういう夢みたいなのってありますか?
うん、できれば、階段のない所に引っ越したい!
結構ここの階段が急なんで。一階かもしくはエレベーターもしっかりした所に引っ越したいです。
でも、それってあんまり大っぴらに書かない方がいいことですよね。
いや、誰かビルを寄付してくれる人がいたら、もう一番めちゃうれしい!
(一同爆笑)
これ、書いてもいいことですか?
ええ、ぜひぜひ。だんだん階段がきつくなっているし、体調悪い人とか、行けなくなっている人もいるんですよね。
なにか他にありますか? 今後これやりたいとか、こうしたいとか。
そうですね。誰かいい後継者がいればいいんだけど、難しいですね。
儲からないから、企業としては無理ですよ。
いろいろな人が来るので、なかなか対応できる人はいないと思うからね。
いろんな人がバランスを取り合って、いい感じに関係ができていく
発達障害がある人でも、ほんとに十人十色じゃないですか。
外国の人たちが集まって、一緒に生活して、場を共にしてるみたいな。そんな感じなんでしょうか。ADHDとASDも微妙に違うし。
うん、だけど、ADHDだけとかASDだけっていう人の方が少ない。どの辺が強いかってあるでしょうけど、いろんな特性が入っていて、一人一人違う。
でも、私がこのお店にお邪魔して見ている限りは、いろんな人がバランスを取り合って、落ち着くところに落ち着くというか、いい感じに関係ができていくみたいな、そんな印象を受けました。
特にお店が介入する必要は特になくて、自然とこう、お客さん同士がうまいことやっているのかなっていう気がします。
そう、うまくお友達を作れる人もいれば、難しいですけどね。なかなかできない人もいるし。親友ができる場合もあれば、それこそ結婚した人も何組もいます。
自分がこう、仲立ちした人たちが親友になったり、結婚されたりして幸せになってるのを見ると、うれしいですか?
一番うれしいです。でも、仲立ちしてるわけではない。
自然にそうなった。この人とこの人をくっつけようと思っても無理ですよ。逆に放っておいて、自然にね。
仲立ちするっていうよりも、場所を解放するみたいな?
若い人たちはね、どんどんいい出会いがあって、いっぱい素敵な恋愛もしてほしいし、友達ができたりしたらいいなって思います。いろんな経験を重ねていくのがいいですね。
多くの出会いを見守ってきた寛ぎスペース。疲れたときも、ゴロンと休めます。
編集後記
金子さん、インタビューありがとうございました。
Neccoカフェを続けるなかで、うれしかったのは出会い……
「一番幸せをいただいているのは私」との言葉から、金子さんがいかに縁を大事にしているかが、じんわりと伝わってきました。
スタッフは全員ボランティアで成り立っていることも強調されています。
発達障害のない人を定型発達、発達障害のある人を非定型発達と呼ぶのですが、全員が発達障害だと仰っていたのも、いい意味で印象的でした。
発達障害は得意なことと不得意なことの差が激しいのが特徴ですが、得手不得手のでこぼこは誰にでもあります。定型と非定型の間はグラデーションで、線引きできません。
お互いがバランスを取り合える世の中になればいいと思いました。
次回のインタビューでは、Neccoカフェを飛び越えて、発達障害について本音トークします。
どうぞお楽しみに!
参考リンク:Neccoカフェ(公式サイト)
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