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重症心身障害児から高齢者まで一生涯サポートを目指す 株式会社福蔵FUKURAの取り組み 後編

濃い青色の背景の左側に白い文字で文章が書かれ、右側には平屋建ての建物の写真が配置されている。 文章には「重症心身障害児から高齢者まで 一生涯サポートを目指す」「株式会社 福蔵 FUKURA の取り組み 後編」と書かれている。 右側の建物は黒い屋根に太陽光パネルがあり、玄関前に茶色の柱が立っている。 全体として、福祉・介護事業所の紹介をイメージした落ち着いたデザインの画像。

前編では、福蔵の事業内容と企業理念、最重度の子どもたちに寄り添う覚悟と家族支援について伺いました。

 

後編では、福蔵ならではの「空間セラピー」、AIと人間の役割、スタッフ育成、今後のビジョンについてお伝えします。

病院ではなくカフェのように 「空間セラピー」が生み出す癒しの力

 

――存在すること自体に価値があるということですね。

コミュニケーションという点では、最近の潮流としてAIやロボットという技術がありますが、それに対してはどうお考えですか。

 

――須田 

ツールとしてはいいと思いますし、私たちも視線入力みたいなものを取り入れたりもしています。

 

全部が該当できるかわからないですが、心の声の通訳ができるAIでもあれば、大いに利用するのはいいかなと思います。

 

――今、介護は人手不足なので、AIやロボットに対応させる流れが強いですが、やはり機械的になりすぎる懸念もありますよね。

 

――須田 

私たちはなかなかAIに頼れない部分があります。

 

目に見えない心の通訳を、私たちもいろんな心のさじ加減で読み取ってあげなければいけません。

そこはロボットやAIではできない、ぬくもりの支援なんだと思います。

 

それが福蔵の一番の売りだと思っています。

 

――機械では絶対に代替できない人の温かさが重要ですよね。

 

――須田 

ぬくもりが私たちの強みだと思います。

 

――今日、取材させていただいて皆さんの表情を見ると、すごく安心感があり、本当に素晴らしいと感じました。

 

――須田 

この事業をやった時に、市役所の方が「福蔵さんを使うようになったらお子さんの表情が豊かになったと、お母さんが喜んでます」と言ってくださり、本当に嬉しかったですね。

 

――福蔵の特徴の一つとして、先ほど見せていただいた施設の雰囲気がありますが、ああいった雰囲気づくりの影響は大きいですか。

 

――須田 

大きいと思います。

私たちは空間セラピーというのを大事にしていて、空間には癒しの力があると思っているんです。

 

私たちだって同じ一杯のコーヒーを飲むのに、掘っ立て小屋で飲むのとおしゃれなカフェで飲むのでは、リフレッシュ感が全然違うじゃないですか。

 

空間の持つ癒しの力を大事にしています。

 

病院は嫌なことをされる場所ですし、長らく入院生活を強いられてきた子どもたちばかりです。

 

なるべく病院っぽくなく、施設っぽくなくということを大事にして、カフェのように気持ちを切り替えられる、ここに来るとリフレッシュできる空間づくりを目指しています。

 

――確かに、一般的な介護施設というと病院のようなイメージがありますからね。

 

そういった環境や取り組みをどんどん広報していく必要がありますよね。

 

現在のPR活動はどのようにされていますか。

 

――須田 

今はSNSでの発信とホームページでの発信がほとんどで、そのほかは特に何もしていません。

SNSも時々投稿がバズったりします。子どもたちが楽しそうにしている姿を見てですね。

 

でも、わりと「何かしてあげたいけど、何をしていいかわからない」という方たちがほとんどです。

思いや愛はあるけど、それをどう形にしたらいいかわからないという方が多いですね。

 

来てくださった方も「何かしてあげたいけど、何をしていいか分からない。怖くて手も出せない。でも気持ちはあるのよ」と言ってくださるので、それだけでも十分かなと思っています。

 

――実際、地元の方でもなかなか実情を知る機会がないですからね。そういった意味で、まず相談して来て見ていただくことが大切ですね。

 

――須田

 そう思います。

 

ジュン
取材前は、障害児支援の施設に重々しいイメージを持っていました。

しかし福蔵を訪れて、その印象は大きく変わりました。

 

明るく開放的な空間、温かみのある色使い、スタッフの自然な笑顔。

まるでカフェに来たかのようなリラックスした雰囲気です。

 

「空間セラピー」は表面的な装飾ではなく、空間が持つ力で人の心を癒し前向きな気持ちを引き出す取り組み。

 

環境が人を変える力を信じ実践する福蔵の姿勢に、これからの福祉施設のあり方を見た気がします。

人間性と技術の両輪で 長所を伸ばし、互いに支え合うスタッフ育成

――スタッフの教育について、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

 

――須田 

人間性が一番大事です。

 

技術も大事ですが、一番は心と心の触れ合いになるというのが福蔵の方針なので、人間性を磨くような指導教育を行っています。

 

――こういった仕事は普通の病院などに比べても苦労が多いと思うので、まずその土台となる人間性が重要ですよね。

 

――須田 

勉強会はまめにさせていただいて、心がけてやっています。

 

技術と人間性と両方が磨かれていくように心がけてやっていますし。

 

でも、人間完璧じゃないので、一番大事にしているのは長所を伸ばすことです。

 

一人ひとりでこぼこがありますが、短所はお互いにフォローし合う。

矯正するというよりフォローし合う形で、長所を伸ばすことに力を入れていますね。

 

――本当に今日は、スタッフの皆さんの雰囲気がとても良いと感じました。

 

――須田 

ありがとうございます。

 

ジュン
福祉の現場では専門的な技術や知識が求められます。

しかし福蔵が何よりも重視しているのは、その土台となる「人間性」です。

 

技術は学べば身につきますが、人を思いやる心や寄り添う姿勢は内面から湧き出るものでなければなりません。

 

特に印象的だったのは、「短所を矯正するのではなくお互いにフォローし合う」という方針。

 

完璧な人間などいないからこそ、長所を伸ばし足りない部分は仲間が補い合う。

この考え方があるからこそ、スタッフは安心して働き自然な笑顔を見せられるのでしょう。

「道徳なき経営は犯罪」 「三方よし」を実現する健全な経営と未来へのビジョン

――理念を実践することは素晴らしいですが、事業として継続していくためには経営面も重要ですよね。その点についてはどうお考えですか。

 

――須田 

もちろんです。

道徳のない経営は犯罪だと思っているので、まず正しい心で、間違った思いで始まっても終わってもいけないと思っています。

 

正しい心の探求というのは、常に私もしています。

 

ただ、社会的な貢献を考えると、健全な運営をして職員のお給料を払い、職員の家族も幸せにし、税金を納めて世の中にも貢献していく。

一番健全なやり方を心がけています。

 

どんなにいいことをしていても、赤字経営だったら誰も幸せにできません。

 

常に潰れる危険を背負いながらやっていくのは、お母さんたちにも安心を与えられないと思います。

そのバランスはすごく難しいと思っています。

 

――福祉だからといって、ボランティア精神だけではできないですよね。

 

――須田

 生活がかかっていますからね。

 

――関わるすべての人の幸せを考えているということですね。

 

――須田 

本当に福蔵に関わるすべての人に幸せになってほしいと思っています。

利用者様も、そのご家族も、職員も、その家族も。

 

いわゆる「三方よし」じゃないですけど。

そこはあちらもこちらも見なければいけないので、大変ではありますけど。

 

――今後の展開について、何かお考えはありますか。

 

――須田 

トータルケアを打ち出しているのは、一生涯にわたってサポートできるシステムを作っていかなければいけないと思っているからです。

そのために訪問をやったり、いろいろなサービスをやったり、高齢者のデイサービスも一部手がけています。

 

やはりこの重度の障害者が地域で安心して住み続けていけること。

親御さんがよくおっしゃるんですよね。

 

「もうこの子を置いて先に逝けない」って。

 

どうなってしまうのか心配だという声を聞いて、本当に重度な障害者でも暮らしていけるグループホームができるといいな、作っていきたいなと思っています。

 

――最後に、障害を持つお子さんを育てている親御さんへメッセージをお願いします。

 

――須田 

どんな重度な障害を持っていても、生まれてきた意味や使命を持っていると思うんですよね。

 

私はみんな天使だと思っているので、その子たちを支えている親御さんたちも、すごく尊いお仕事をされていると思っています。

 

生まれてきてよかったって思える社会にして、一緒に前に進んでいきたいなと思っています。

 

ジュン
取材を通して最も強く感じたのは、福蔵が「人を大切にする」企業だということです。

 

利用者、ご家族、スタッフとその家族。誰かが犠牲になるのではなく、関わるすべての人がみんなで幸せになる「三方よし」の精神を、須田代表はまっすぐに貫いています。

 

「道徳なき経営は犯罪」という言葉には、理念と経営を決して切り離さないという強い意志が込められていました。

 

福祉事業だからこそ健全な経営で職員に適正な給与を払い、税金を納め社会に貢献する。理念を貫くからこそ、みんなが幸せになれるのだと感じました。

インタビューを終えて

後編では、福蔵ならではの環境づくり、スタッフ育成、そして今後のビジョンについて伺いました。

 

「空間セラピー」という考え方は、取材で実際に施設を訪れて初めて、その真価を理解できました。明るく開放的な空間、カフェのようなリラックスした雰囲気。

環境が人の心に与える影響の大きさを、福蔵は深く理解し、実践しています。

 

AIやロボット技術の導入については、あくまで「ツール」として捉え、人の温もりや心の通訳という機械では決して代替できない部分を大切にする姿勢も印象的でした。

 

スタッフ育成では、「短所を矯正するのではなく互いにフォローし合う」という方針が心に残りました。

完璧を求めるのではなく、一人ひとりの長所を伸ばし、足りない部分は仲間が補う。

 

この温かい組織文化が、スタッフの自然な笑顔を生み、それが利用者やご家族にも伝わっていくのでしょう。

 

そして何より、「道徳なき経営は犯罪」という言葉に須田代表の経営哲学の根幹を見た思いがします。

 

理念を掲げながらも、健全な経営を通じて職員とその家族、利用者とその家族、地域社会すべてを幸せにする。

その「三方よし」の精神こそが、持続可能な福祉事業の鍵なのでしょう。

 

取材を通して、福蔵の「美しい心・善なる心・愛の心」という理念が単なるスローガンではなく、現場の隅々まで浸透していることを強く感じました。

 

一人ひとりのスタッフの笑顔、温かい雰囲気、そして何よりも利用者とその家族への深い愛情。

福蔵の取り組みは、これからの地域福祉のあるべき姿を示しているように思います。

株式会社福蔵FUKURA 施設情報

会社名: 株式会社福蔵FUKURA
代表者: 須田祥子
本社所在地: 茨城県那珂市中台750-5(ふくらトータルケア那珂)
電話: 029-229-1951
設立: 2016年
従業員数: 100名以上(グループ全体)

企業理念: 美しい心・善なる心・愛の心

事業内容:

拠点: 茨城県4カ所、栃木県2カ所の計6拠点

特徴:

ウェブサイト: https://www.fukura.co.jp
Instagram: @fukura1951

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久田 淳吾

発達障害(ADHD・ASD)と吃音を抱える40代男性。今まで発達障害の事は知らずに生きてきたが、友人の話を聞いて自分にも当てはまる事が多すぎる事を実感し、病院にて診断を受けると見事に発達障害との認定を受ける。自分に何ができるかと考えた時、趣味の写真でプロの先生に話を聞く機会があり、吃音が強く出ていたことに気がついた先生が『君は吃音持ちだね。だったら吃音の方の気持ちがわかるはず。それを活かして吃音の方の気持ちがわかるカメラマンになったらどうか』という言葉を思い出し、発達障害者として同じ気持ち、舞台に立てる人間として趣味のカメラ、動画編集技術を活かして情報発信をする事を決意。
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