WelSearch ウェルサーチ|福祉の専門家や当事者たちが発信する福祉情報サイト

手話歌との出会いで見つけた新たな世界|手話歌YouTuberカズにゃんさんインタビュー

カズにゃんタイトル

手話と聞くと、主に聴覚障害の方との意思疎通に使うツールの一つという印象があります。

 

会話の代わりに使う手話。その手話と歌を組み合わせて、聴覚障害の方でも歌を楽しめるように活動している手話歌YouTuberカズにゃんさんに今回はインタビューさせていただきました。

 

ジュン
もともと口語のコミュニケーションが苦手だったカズにゃんさんが、手話歌と出会ってからの素敵なエピソードも盛りだくさんです。

 

ぜひ最後まで読んで、手話歌の楽しさを知っていただければと思います。

手話歌YouTuberカズにゃんさん

1981年川崎市生まれ次男。 幼少期から二十歳まで横須賀市で育つ。 

  

ひょうきんな子供だったが 中学生の頃から色々なことを 深く考えるようになり口数が減る。 高校では簡単な返事さえ声に出ないほどの場面緘黙(ばめんかんもく)症の状態に(のちの自己診断) 

  

その後、自分を変えようと地球一周の船旅や某アトラクションのキャストなど大きなチャレンジをするも根っこは変わらず。しかしその時々の仲間に恵まれながら生きていく。 

  

23歳の時「接客に力を入れてるバス会社がある」の言葉がミスマッチで面白いなと、現在勤めているバス会社に入る。 

  

お客様との距離感が自分には 合っていたのかバス運転手を 何とかこなしながら勤労17年。 紆余曲折しながらも 結婚。そして2人の子供にも恵まれる。 

 

現在、妻、長女、長男 の4人家族。

  

ここ1年で手話歌を知り、TwitterやYouTube発信を始める。 

 

手話歌とは何か?

ジュン
それでは、まず簡単に自己紹介をお願いいたします

  

カズにゃん
はじめまして! バスの運転手をしている カズにゃんです。 主にTwitterで子育てや、仕事、手話、自分が面白いと思うことを発信しています。 

  

今年からYouTubeチャンネルを作り、大好きで勉強している手話歌の発信も始めました。 

  

よろしくお願いします。 

 

ジュン
ありがとうございます。早速ですが手話歌とは一体どのようなものなのでしょうか?

 

カズにゃん
文字通りですが「手話×お歌」です。 歌詞の内容にそった手話をすることで視覚からも歌詞やリズムを感じることが出来ます。 

  

楽しみ方はそれぞれで、手話のみをしたり、見て聞いているだけでも楽しめるエンターテイメントだと思っています。

 

実際に見ていただいた方が早いかもしれません。

 

 

ジュン
歌というのは耳で聞くものですが、手話というパフォーマンスがあることで、聴覚に障害がある方でも文字でみるよりはるかに歌を感じて楽しめますね

 

手話歌を始めたキッカケ

ジュン
手話歌をやろうと思ったきっかけなどはありますか?
  

 

カズにゃん
2020年暮れにTwitterのフォロワーさんが 『好きな曲を手話歌にしました』という発信をみて、それが私の好きな安全地帯の曲だったのと 、「手話歌」って何だろう? という気持ちで再生してみました。

 

もう何千何万回と聞いて歌っている曲なのに、手話を通じて受け取るとすごく新鮮な気持ちで歌詞の深みも知る事が出来ました。 

 

ジュン
たしかにずっと聞いている曲を、違う表現で見ると面白いですし、感動しますね

  

カズにゃん
それにビビッときて手話歌、面白い!自分もやりたい!

 

どうせならYouTube発信を目標にして勉強しよう。 というのがキッカケです。  

 

ジュン
ふとした事で知って、それに強い感銘を受けた感じですね。それで行動に移せるのが凄いなと思います。

 

そして、プロフィールに場面緘黙(ばめんかんもく)症とありますが、その症状と手話をやろうと思った事に関連はありますか?

 

カズにゃん
場面緘黙症は手話を学び始めた後、自己診断で知りました。

 

手話歌が面白い!と思った背景には口語のコミニケーションが苦手だった過去と無意識につながっていたのかもしれないですね。

 

注)場面緘黙症とは=家庭などでは話すことが出来るのに、社会不安(社会的状況における不安)のために、ある特定の場面・状況では話すことができなくなる疾患である。

引用:場面緘黙症https://ja.wikipedia.org/wiki/場面緘黙症

 

手話歌で伝えたいこと 

ジュン
カズにゃんさんが手話歌YouTuberになって、どんなことを伝えたいとかというのはありますか?
  

 

カズにゃん
まだまだ手話も歌も勉強中ですが、単純に歌やリズム、手話を楽しんでもらえたら嬉しいです。 

 

そこから人生のヒントさえ 感じとってもらえたら なお嬉しいです♪ 

 

ジュン
歌から感じられるメッセージというのものは大きいですからね。

 

歌を通して手話というものに興味をもってもらえるきっかけにもなると思います。

 

手話歌で楽しいこと

ジュン
好きな手話歌で、特にこれが楽しいと言う部分はありますか?

 

カズにゃん
  歌詞を深読みしながら手話に訳すのは大変ですが、この歌詞はそんな意味もあるのかー!という発見や、 勉強した手話表現が自分のなかでピッタリはまる時は、とてもゾクゾクします。 

 

ジュン
ただ歌詞をそのまま文字にするような感じではなく、エンターテイメント性を追求するからこそ、難しい部分がありそれをしっかり表現できた時は喜びはひとしおですね

 

カズにゃん
また手話を学んでいると多くの方と手話を通じて知り合うことができます。

 

この間はバスのお客さんに難聴の方がいて、初めて対面での手話コミュニケーションが取れました。手話が通じた喜びと、その方の優しさが身に染みて後に何度も泣いてしまうほど感動しました。

 

本当に多くの方から反応をいただき活動の支えになっています。 

 

ジュン
普段手話に触れていないと、いざ聴覚に障害のある方に対して対応もできませんし、知っているからこその気持ちの分かり方はありますね。

 

手話歌に出会ったからこそ、普段の生活にも多大な影響が感じられます

 

手話歌で苦労されていること

ジュン
逆に手話歌をやる上での苦労をお聞かせていただければと思います
 

 

カズにゃん
たった1行の歌詞でも数日かけて手話表現が決まらない事もあります。

 

やっと決断したはずの手話表現も撮影本番時にはしっくりこない事もありせっかくたくさんの準備をしても納得のいく動画が取れない日も珍しくありません。 

 

ジュン
ただ、歌詞の通りになぞればいいだけではない分、表現の苦労は大きいですね。

 

何度も試行錯誤されてるからこそ、みんなが楽しめるクオリティの動画制作が出来ているのだと感じます

 

今後やりたい事について

 

ジュン
今後、このような事を発信したいなどはありますか?

 

カズにゃん
某キャスト時代の経験も生かし、子供向けの曲の手話歌もより多く発信したいです。

 

現在『ぼよよん行進曲』(作詞:中西圭三、田角有里、作曲:中西圭三、歌オリジナル:今井ゆうぞう・はいだしょうこ)作成中 です。

  

家族みんなでで聞いて、見て。 真似して。楽しんで頂ければと思います。 

 

読んでくださる方へメッセージ

 

ジュン
最後に、この記事を読んでくださる読者の皆様のメッセージをお願いいたします

 

カズにゃん
私は自分の気持ちを声に出して 表現するのがずっと苦手でした。 

  

しかし手話歌に出会い、手話の勉強をするにつれ、気持ちを伝えるのに 口語だけにこだわる必要はなかったんだと気付かされました 

  

「自分の気持ちと言動が一致する」 という私には当たり前じゃなかった感覚を知り、不思議と口語も以前より苦手意識がなくなりました。 

  

自分の子供の言動にも 見聞きしたものだけでなく 今どんな気持ちなのかな? とそんな風にも考えれるようになりました。

 

ジュン
手話歌を通じて、様々な表現を知ったからこそ、伝え方をしっかり学べた感じですね
 

  

カズにゃん
気持ちの表現は口語や手話だけではありません。

 

一人一人が得意な分野を見つけ、素直な気持ちをのびのびと表現する。 それをお互いに理解し合う。そんな優しい世界を私は望みます。

 

ジュン
ありがとうございました。
 

 

カズにゃんさんからの手話でのメッセージ動画

カズにゃんさんのインタビューを終えて

聴覚に障害があるご本人、もしくは身近な方に聴覚障害の方がいらっしゃらないとなかなか触れる機会がない手話。世の中には、手話を必要とされている方はたくさんいらっしゃると思います。

 

私もカズにゃんさんの動画に関わる機会が持てた事があり、手話そのものに興味を持ったり、聴覚障害の方へのアプローチの仕方など考える機会を持つ事ができました。

 

是非これを読んでくださる皆様も、手話歌を通じて手話の楽しさや便利さを実感していただき、実生活でも聴覚障害の方とのコミュニケーションに役立てていただければと思います

 

ズにゃんさん

Twitter:https://twitter.com/kazunyan_bus

YouTube:カズにゃん-YouTube

 

ズにゃんさんのオススメのMV

 

全編手話で作成された 天道清貴さんの「はじまりはありがとう」 

 

 

とにかく楽しく手話を学びたいなら「手話エンターテイメント発信団oioi 」のオンライン手話講座(初心者向け) 

https://oioi-sign.com/ 

The following two tabs change content below.

久田 淳吾

発達障害(ADHD・ASD)と吃音を抱える40代男性。今まで発達障害の事は知らずに生きてきたが、友人の話を聞いて自分にも当てはまる事が多すぎる事を実感し、病院にて診断を受けると見事に発達障害との認定を受ける。自分に何ができるかと考えた時、趣味の写真でプロの先生に話を聞く機会があり、吃音が強く出ていたことに気がついた先生が『君は吃音持ちだね。だったら吃音の方の気持ちがわかるはず。それを活かして吃音の方の気持ちがわかるカメラマンになったらどうか』という言葉を思い出し、発達障害者として同じ気持ち、舞台に立てる人間として趣味のカメラ、動画編集技術を活かして情報発信をする事を決意。
モバイルバージョンを終了